こんにちは!骨折の方のための服を研究・制作している、デザイナーの小瀧です。冬の骨折、こんなお悩みはありませんか?「ギプスが太くて、普段の冬服が着られない…」「寒いから厚手の服を着たいけど、袖が通せず着られない…」「服が着られないから外出を避けてしまいがち…」など、寒い季節の骨折には服の問題が大きな壁となってしまいます。痛みを感じることなく楽に着られて、暖かく過ごせる服ってどんな服なのでしょう?腕の骨折中でも暖かく快適に過ごすための3つの工夫をご紹介します。
暖かく過ごすための3つの工夫
この記事では、冬の骨折で着替えに困っている方へ、少しでも暖かく過ごすために今日からできる工夫を3つお伝えします。「何を着ればいいの!?着られるものがない!」と混乱する気持ちを抑え、おうちにある服を冷静に見つめてみましょう。以下でご紹介するような服がクローゼットに見つからない場合は、少し手間ですが、新しく服を調達しましょう。骨折は一時期のものですが、少しでも快適に過ごすための工夫は、日々の暮らしを豊かにする上で大切です。着替えのときも安全第一!痛くないよう、あまり腕を動かさずに着替えができるよう、準備を整えることをおすすめします。
工夫1:大きめの服を着る
まず最初にご紹介するのが「大きめの服を着ること」です。これは今日からできる手軽な対策ですが、実はとても効果的です。
腕にギプスをしていると、いつものサイズの服ではアームホール(袖ぐり)が小さくて腕を通せなかったり、袖が細くて腕が入らなかったり、ギプスが服に当たって痛みが発生する原因になったりします。そこで、普段よりもワンサイズ(もしくはツーサイズ)大きめの服を選ぶことで、アームホールが大きくなり、袖にギプスが通りやすくなります。以下のポイントを参考に、服を選ぶようにしましょう。
ポイント1:生地に伸縮性がある服を選ぶ
前開きのシャツなどは着やすいように感じますが、生地に伸縮性の無いものは着脱が難しいので注意しましょう。頑張ってなんとか着ることはできても、脱ぐのがとても困難になる場合があります。できるだけやわらかい、伸縮する素材のものを選びましょう。トレーナーなど、生地に動きもあり、袖も大きめの作りのものは、ゆったりと着られるのでおすすめです。
ポイント2:厚手の生地や裏起毛の素材を選ぶ
服の生地は厚手の素材や裏起毛の素材を選ぶようにしましょう。寒い時期はとくに「何枚も重ね着をして過ごす」ということが多くなると思いますが、骨折をしていると何枚も着るのがとても負担になります。厚手の生地や裏起毛の素材で作られた服は、1枚でも保温性を高めることができるため、とてもおすすめです。
大きいサイズだと袖や丈も長くなってしまいますが、何よりも優先すべきは暖かく快適に、寒さを感じることなく過ごすことなので、安全性を優先し、服を選ぶようにしましょう。
工夫2:ボタン付きの服を羽織るように着る
次に、ボタン付きの服を羽織るように着る方法をご紹介します。冬は、ダウンジャケットなど、ファスナー付きの服が多く見られますが、ファスナーは両手での操作が必須になるため、一人で(片手で)開閉するのがとても難しいアイテムです。一方で、ボタン付きのコートやジャケットであれば、片手でも比較的簡単に開閉ができます。
また、柔らかくゆとりのあるカーディガンやセーターなどのボタン付きアイテムは、羽織るように着ることができ、前を閉めて着用できるため、保温性が高まります。羽織って着る服は温度調節もしやすいという利点もあります。温かい室内では前を開け、寒い外出時にはしっかりと前を閉めるなど、体感温度に合わせて対応することができます。骨折中でも適切な温度管理を行い、快適に過ごすことができます。
工夫3:ダウンベストを羽織る(袖なし)
最後に、袖なしのダウンベストの着用をおすすめします。袖なしのダウンベストは生地の滑りもよく、アームホールが広いため、ギプスをしている腕も、楽に通すことができます。着脱が簡単で、且つ、保温性にも優れているので、屋内でも屋外でも着用したいアイテムです。前開き・ファスナー付きのものが主流ですが、ファスナーを閉じずに羽織るだけでも胴体部分を暖かく包み込めるので、試してみましょう。フリースのベストも同様の効果を期待できるので、おすすめです。
まとめ
以上、「冬の骨折、着替えに困っていませんか?暖かく過ごすための3つの工夫」をお伝えしました。
多くの方が、担当の先生から「暖かくして過ごしてくださいね」と伝えられるそうです。しかし患者さんは急なことなので「着替えはどうしたらいいんだ…!」と、途方に暮れてしまうと思いますが、どうか安心してください。最適な服を選び、着方を工夫することで、暖かく快適に過ごすことができます。
まず第一に、安全に着られる服を見つけること。そして次に、しっかりと寒さ対策を考えて服を選ぶようにしましょう。骨折中でも暖かくして過ごすために、これらの工夫をぜひ試してみてください。皆様が少しでも快適に冬を過ごせることを、心からお祈りしております!
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